8月25日、台風15号は凄まじい風を残し九州を縦断して行きました。
午前3時過ぎの霧島市隼人町は暴風雨で目覚めてしまいました。
暴風雨の風音を聞きながらふと北海道のドキュメンタリー思い出し
DVDを再生しましたのが皆さんご存知の
第1回日本放送文化大賞グランプリと
平成17年日本民間放送連盟賞最優秀賞をダブル受賞しました
「桜の花の咲く頃に」
ここは北海道東の果て 別海町 北海道立別海高等学校。
1年半にも及ぶ期間フジテレビの横山 隆晴プロデューサーが実際に別海町に住んで
町に溶け込み映像を綴るという途方もない手段で撮影されました。
次々とリアルなエピソードに引き込まれて行きます。
父親を不慮の事故で亡くして間もないバレー部キャプテンが全国大会へ望み
ベスト8で破れ、母に迷惑を掛けたくないと進学を諦め地元で働く決意。
幼い頃から母一人子一人の少年は新聞配達を続けながら母を助け
大人への階段を駆け上がってゆきます。真冬の別海町の豪雪の中歩む
特にこの少年には感情移入しました。
私自身も小学5年生の正月から中学3年秋まで約4年間新聞配達を
雨の日、風の日、雪の日、小さな自転車で配達していまして
毎朝の大変さは身を以て分かります。
時代が時代とはいえ小学生が配達と月末には家々をまわり
当時月額1250円の新聞代の集金までしていました。
今ではあり得ない思い出です。
また、たった一回の受験の機会なのに前日まで家の手伝いで海に出る子。
冷たい氷に手を差し入れ作業する健気な姿に鼻の奥がツーンとなります。
また、父と同じ漁師を目指す子。
大家族の長男は酪農を学ぶ道を目指します。
それぞれの葛藤、悩み、また青春のすがすがしさ。
塾も予備校もない別海町から大学を目指す子。
その他、ありとあらゆる人生がリアルに写し出されたドキュメンタリーです。
素直な子供たちに感化され大人も変わってゆきます。
さて、このドキュメンタリーは2005年の放送から10年経ちます。
当時同じ年頃の子供を育てており胸が深くえぐられる感動を覚えました。
台風で外の暴風雨をノイズにひとり鑑賞するとまた画面が滲んで見えます。
この涙は悲しみの涙ではなく、明日からまた頑張ろうとなる
応援歌のような涙。
すごいドキュメンタリーですが不思議にも
何故かDVD販売されていないようですので
ご興味のある方は受付までおっしゃってください。